2009年07月01日

待ちに待った「にんにく」と「らっきょう」今年は良いですよ〜♪

 梅雨のどんよりした天気は、例年と変わりなく嫌な季節ですが、今年の6月は「ゲリラ雷雨」の発生が多く、播種したばかりの野菜の種が突然の短時間集中豪雨で流されてしまったり、畑がプールみたいに冠水してしまったりと右往左往です。畑のある千葉県旭市は「砂壌土」と呼ばれる土で、砂が7割+粘土3割という水はけがかなり良い土なのですが、短時間に土砂降りになると地下に浸透しきれずに溜まってしまうのです。このプール化した水を早急に排水させないと人参などは腐り始めてしまいますし、比較的乾燥した土を好むサツマイモや湿った土を好む里芋さえも生育が滞ってしまいます。梅雨の時期ばかりではありません。台風の時期はしっかりと就寝することが出来ません。雨ばかりでなく、強風によって鶏小屋やビニルハウスが飛ばされやしないか・・田んぼの稲が倒伏して水に浸かってはいないか・・と心配すればキリがないのですが、翌朝、無事な状態を確かめるまでは落ち着きません。話がそれてしまいましたが、今回は、梅雨の最中に収穫を迎える「にんにく」と「らっきょう」について書きたいと思います。

 「にんにく」と「らっきょう」は「農薬を使わなければ栽培することは困難である」と学生時代に習いました。その理由として、生育期間が8月に種球根を畑に植えて収穫するのは6月であり、延べ10ヶ月もの間、畑にあることで害虫が発生するリスクが非常に高いということがあげられます。温度が高い時期(秋の植え付け直後と春の収穫間際)に発生する根に寄生する「ネダニ類」、また、春先の低温下において湿度が高い時に発生する「さび病」の両者が壊滅的な被害を及ぼします。

 当農園におけるこれらの病害虫への予防策としては
@ 蒸れないようにする:風通しが良い条件を整える
A 土の水はけが良い状態を作る→良質な有機物を土に施す
B 肥料が不足していないか→地上部の葉の色や茎の太さなどをこまめに観察する

 ということに気をつけて栽培を行っています。

 しかし、普通栽培のように予防のための農薬や殺菌剤、また、発生した後の根絶するための薬剤を全く使用しないので、どれだけ気をつけても発生を完全に抑えることは困難です。ですから、雨が多くなる梅雨入り直後に収穫を前倒しでおこなったり、病害虫が入り込んでしまった株をすぐに撤去したり(食べてしまう)ということにも気をつけています。
 昨年は、そろそろ掘り上げようというタイミングからほんの1週間遅れた間にネダニが入り込んでしまい、良品との選別に大きな労力を割いてしまいました。半年以上の間、毎日、観察をし、肥料が不足したらすぐに追肥を行うなど、丹精込めて育てあげた「にんにく」と「らっきょう」をぜひお試しください。

野菜のおいしさ→珠樹自然農園をよろしくお願いします

ニックネーム 農場長 at 23:50| Comment(0) | にんにく

2009年06月10日

そらまめを「なま」で食べたことありますか?

 今年の5月は、雨の時は雨続き!晴れの時は全く晴れというメリハリのある周期的な春特有の天気でした。こういった天候の時期は水の管理が難しく、天気を気にしないで「明日も晴れだろう〜」と野菜へ水をたっぷり与えた翌日に雨になると野菜の病気が発生する危険性が増えてしまいます。そういった不安定な春の気候にあまり左右されない野菜があります。「そらまめ」です。

 そらまめは、「蚕豆」または「空豆(天豆と書くこともあります)」と書きます。また、英名では、「Broad bean」です。「蚕豆」の由来は、さやが蚕の作る繭の形に似ているからと言われています。「空豆」は、さやを空に向けてつけるからと言われています。また、英名の「幅の広いマメ」という名称は納得ですが、「おおざっぱなマメ・おおらかなマメ」という異訳があるのも環境に左右されないという意味合いで頷けます。

 原産地は、西南アジアからアフリカ北部であり、エジプトでは約4000年前から栽培されていました。しかし、古代ギリシャでは、葬儀に使う豆として不吉なものの扱いを受けていました。日本へは8世紀に伝来し、初夏の風物詩として食されてきました。そらまめは、タンパク質やビタミンB、ビタミンCが豊富であり、鉄分も含まれているので、美肌効果があると言われています。また、食物繊維が多く含まれているので便秘にも効くようです。

 そらまめの一般的な栽培方法は、初冬の頃に種まきを行い、葉が5枚くらいで年末を迎えるとたくさん収穫することが出来ると言われています。また、年末頃に、そらまめの植物体の先端を切ると(=摘心といいます)脇から茎がたくさん出てくるので、たくさん収穫することが出来ると言われています。しかし、当農園では一般的な栽培方法を行っていません。というのも、初冬の頃に種を播くとアブラムシがまだまだ元気であり、寒さが厳しくなっていく季節に最後のエサといわんばかり!大量発生してしまいます。そうなると、冬を越えることが出来ずに枯れてしまいます。また、摘心をおこなうとその切り口からウイルス病に感染する危険性が高いです。これらのリスクを回避するために「移植栽培」を行います。初冬にビニルポットに種を播き、年明け早々に畑に移植してあげます。こうしてあげることで、リスク回避になりますが、収穫時期が少し遅くなってしまうことにご理解をいただければと思っております。

美味しい野菜は→珠樹自然農園へ

ニックネーム 農場長 at 01:27| Comment(0) | 日記

2009年05月19日

まだっ?玉ねぎ!待ちくたびれます

 畑のある旭市の春は、3月前半の低温多雨にオロオロし、4月前半の高温干ばつにゲンナリし、5月は頼むぞ!という状態でした。例年に比べると「三寒四温」のような理想的な春の訪れではなく、4月に遅霜が降りたり、20℃越えの日が連続したりと多少は温暖化の影響があるのかな?という感想です。

 野菜は、例年よりも「とう立ち=花が咲いてしまうこと」がかなり早く、3月の十分すぎる低温から4月の高温状態がドカッと来たために、とう立ちしにくいはずのサラダ白菜や小松菜さえ菜の花を咲かせています。「菜の花」は、都会の人の大多数が菜の花専用の品種であると思っていますが、「アブラナ科」に分類されているもの、例えば、キャベツや水菜、ターサイやカブ、大根などは菜の花に似た花が咲きます。中でも、大根は、白にピンクがほんのりと入った清楚で可憐な花をつけます。話がだいぶそれてしまいましたが、今回は、「玉ねぎ」について書きます。

 玉ねぎ!中でも新玉ねぎは当農園いち押しの野菜です。今年も病気の害は無く、また、玉ねぎを腐らせてしまうネダニ(根に集まる地中に生息するダニの仲間)の発生も認められなかったので、美味しく出来たと思います。玉ねぎは、9月に種を播き、11月まで育苗します。11月に畑に植え付けます。3月下旬頃から地面の中の玉ねぎが日々大きくなっていきます。早く収穫したいという気持ちを毎日諌めつつ、5月になって玉ねぎの茎が風も無いのに倒れてきます。待ちに待った収穫適期のサインです。冬の間にガッチリと地面に根付いた玉ねぎを収穫する時の感覚はなんともいえません。顔もニヤついていることでしょう・・・というのも、玉ねぎやニンニク、らっきょうなどは、種を播いてから収穫するまで、実に8ヶ月以上の歳月を費やします。その間、雑草を抜いたり、肥料を追肥したり、虫に食われてないか、病気にかかってないかという管理と気配りを絶やすことなく行っていかなければなりません。実際、収穫が終わった畑を見ていると少し寂しいです。が、しかし、ニンニクは8月には、植える準備が始まります。玉ねぎも9月には種を播くのですから、ほとんど1年中、これらの野菜達の育っている姿を目にしているのですね。

 作り手の思いから少し離れまして・・・玉ねぎの特徴などについて書きたいと思います。玉ねぎの起源は中央アジアとされていますが、その原種は発見されていません。その栽培の歴史は非常に古く、紀元前エジプト王朝の時代には、スタミナ元としてニンニクとセットで配られていたそうです。その後、ヨーロッパからアメリカに伝わりました。日本へは、江戸時代に長崎へ伝わったが、観賞用としてでした。玉ねぎのどこをどう観賞するのかと言われる方が多いと思いますが、ネギ類の花は、通称「葱坊主」と呼ばれますが、この葱坊主、実は近くで観察するとなんとも繊細で可憐な花の集合体であることに気付きます。食用としては、明治時代から急速に品種改良が行われ、現在のような甘みがある早生種、加熱することで深い甘みが引き出される晩生種のような日本を代表する野菜になりました。

 玉ねぎは、人間にとっては切る時に涙がでるくらいですが、動物が食べると玉ねぎの成分である硫黄化合物によって中毒症状に陥り、血液中の赤血球が破壊されて死んでしまうこともあるので注意が必要です。しかし、私の家の犬は、玉ねぎとジャガイモの味噌汁かけご飯などをエサの皿に与えても玉ねぎだけ残して上手に食べていました。嗅覚が優れていることで自然と避けるようになっているのでしょうか?

 私たちの玉ねぎに対する今後の課題としては、もちろんもっと美味しい玉ねぎを作ることが最重要ですが、長期間の玉ねぎの保存を成功させることが重要です。玉ねぎ保存の大敵として「乾腐病(かんぷびょう)」があります。本当にあっという間に完膚なきまで玉ねぎを腐らせてしまう怖い病気です。より良い保存方法を考えて、皆さんに出来るだけ長い間、当農園の玉ねぎを食べていただけるように努力します。

ニックネーム 農場長 at 23:17| Comment(0) | 日記

2009年04月13日

外葉も美味しいレタスやキャベツ

 畑のある旭市の3月の天気は、例年の2倍くらい降ったのでは?と思うくらい、毎日のように雨模様でした。日照時間が極端に短いために日中の気温が低く、キャベツやブロッコリの苗の伸びが悪かったです。また、トマトやナス、ピーマンといった夏場の果菜類の発芽が、土の温度が低いために遅れたり、芽吹きが揃わなかったりしました。加温する栽培を基本的に行っていないので、太陽が現れるのが待ち遠しかったです。ようやく月の半ば過ぎから晴天が続き、今まで眠っていた種子達がどんどん芽を出し始めました。野菜の種が芽を出す条件は、「水」と「酸素(空気)」と「温度」です。これらが1つでも欠けてしまうと良く芽が出ません。3月に欠けていた「温度」が高くなったことで芽が出始めたということです。

 しかし、これらの発芽3大条件の他にもう1つ、「光」という条件を必要とする野菜が多くあります。レタスや人参、バジル、シソのような種が小さい野菜は、光に当たることによって発芽が促進されます。逆にトマトなどの果菜類は、光を嫌う性質(嫌光性→種を播いた後にしっかり土をかけない芽が出にくい)があります。と言っても、直射日光がガンガン当たれば良いという訳ではなく、雨天が続いても通常の明るさがあれば芽は出ます。話がだいぶそれてしまいましたが、今回は、好光性の代表選手である「レタス」について書きたいと思います。

 「レタス」はキク科の野菜です。春菊もキク科・・・共通項があまり見当たらないのですが、レタスの花を見ると「なるほど菊の花だ!」と合点がいきます。また、夏場に高温にあうと葉に苦味が出ます。刺身についている花と同じで苦いです。レタスの旬っていつでしょう?キャベツは「春」というイメージがありますが、レタスと聞くと高原レタス?夏?という答えが多いです。千葉県の旬は45月の春です。当農園では、「玉レタス」だけでなく、見た目の美しさと栄養面、また、レストランなどの要望も高いことから「葉レタス」の栽培にも力を入れています。

 「葉レタス」は色素(緑や赤)が濃く、カロチンやビタミン類、カリウム、鉄といった成分が玉レタスよりもかなり多く含まれています。ビタミンCと鉄は、貧血の予防に効果があります。カロチンは、活性酸素の働きを抑制することで、体の老化やガンを防ぐ効果があります。また、免疫力が高まり、風邪を予防する効果があります。他にも、ビタミンCは、美容効果や風邪の予防効果、また、ビタミンEは、血液の循環をよくすることで、老化を防ぐ効果があります。また、カリウムが多く含まれており、体の中の余分な塩分を排出し、むくみの改善や高血圧を防ぐ効果があります。

 と、その成分を書いていくと素晴らしい野菜のようで1年中欲しくなります。しかし、育てる側から見ると夏の栽培のなんと難しいことか!下葉から掻いて収穫をしていくのですが、夏場は、湿度が高く、その切り口から病気が入りやすく、曇天や雨天で切り口が乾燥しにくい時にあっという間に病原菌が侵入し、葉が次々に枯れたり、腐ったりしてしまいます。また、高温状態に遭うと素早く花をつけて葉を苦くしてしまいます。それでもなお、当農園一押しの「農園サラダ」には、葉レタスが必需品であると頑張って育てています。玉レタスは栄養成分が多い訳ではありませんが、ばらしてすぐにシャキシャキ食べられる、また、加熱して食べてもおいしいので量をたくさん食べることが出来ます。量をとることで、食物繊維が大腸の働きを活発にし、便秘の予防や改善に効果があります。

 4月は、今回取り上げた玉レタスや定番の農園サラダの他、甘くて柔らかい春キャベツや冬の間にじっくり育った新じゃがいもが店頭に並びます。春は、色々な野菜が出てくる時期です。同時に夏野菜の植え付けを行う多忙な時期です。美味しい野菜を皆さんに提供できるように頑張ります。

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ニックネーム 農場長 at 01:37| Comment(0) | レタス

2009年03月03日

葉物雑談

 例年と比較すると、今年の2月はどんな気候だったのでしょう?春一番が吹いた前後の初夏のような暖かさ!ハウスの中は、なんと35℃!!急いで換気を行いました。この急激な気温の上昇によって、紅芯大根や緑大根が一斉に花芽をつけてしまいました。昨年の秋に播き遅れてしまったのですが、あの寒暖の大きな差によって、とどめを刺された感じです。野菜に限らず植物はごまかしがきかないのだなと改めて認識しました。野菜の生育は、温度や日長条件に非常に敏感です。植物工場のように人工制御が出来ない畑では、やはり、「旬」を大切にせねばと反省しきりです。

 さて、春はもうすぐという季節ですが、まだまだ寒く、3月はこれぞという野菜がありません。しかし、「小松菜」や「ほうれん草」などの葉物は寒さにあたることで一層美味しくなります。皆さんにとって、小松菜とほうれん草、どちらが身近な野菜でしょうか?千葉市にある当店での売れ方を見てみると・・・@ほうれん草が圧倒的に人気。A生で食べることが好きな人は小松菜を選ぶといった傾向があります。

 私なりにこの理由を考えてみると、@の人気については、「ほうれん草は全国で多く作られており、また、学校給食でもほうれん草の方が多く利用されており、さらに料理本などのレシピは圧倒的にほうれん草の方が多い。これは、小松菜は日本固有の和食野菜であり、ほうれん草は西洋でも多く食べられている」ということが挙げられます。Aの生食についてですが、これは「あく」と「くせ」によるものです。小松菜を生で食べると葉柄の部分の水分の多さに驚かされます。しかし、くせや渋味がほとんど無いので、当農園では、サラダミックスに若葉を入れています。最近では、ほうれん草もサラダ向きの品種が登場しましたが、シュウ酸のシュワシュワ感がまだ気になります。

 「寒さ」にあたると味が良くなると言われていますが、それはどうしてでしょうか?霜や雪を被ると葉の繊維が柔らかくなって甘みが増すという野菜の外面的な要因がひとつ。また、内面的には、低温に反応して野菜が分泌する成分、これがうまみ成分のアミノ酸であり、糖度が高く感じる要因です。ちょっと難しくなってしまったので、簡単に言うと「寒さで葉っぱの表面が凍ったり、とけたりしているうちに葉っぱ全体がグニャグニャになってしまい、このままでは凍死してしまう!アミノ酸で防護膜を作ろう」という一連の野菜の働きによって、美味しくなるのですね。野菜って偉いです。

 少し栄養面を見てみましょう。ほうれん草といえば「ポパイ」ですよね。各種ビタミンやミネラル類が多く含まれています。ビタミンAは葉を56枚も食べれば1日分を摂取できてしまうくらい豊富です。また、鉄分は牛レバー並みです。ヨーロッパでは胃腸のホウキといわれ、消化吸収が良い食物繊維によって胃腸が整えられ、便通を良くしてくれます。一方、小松菜もまた栄養価の高い野菜です。カルシウム・ビタミンA・鉄・カリウム・食物繊維などを多く含んでおり、ほうれん草と栄養価が良く似ています。比べてみると、鉄分はやや少ないですが、カルシウムはなんと5倍で、野菜の中ではダントツです。

 栽培の側から見てみますと、小松菜の方が圧倒的に作りやすいです。生育期間で見てみると、ほうれん草は、夏で30日、冬は90日近くかかります。一方、小松菜は、夏で20日、冬は60日くらいから収穫することが出来ます。また、病気においてもほうれん草の方が色々と注意が必要です。しかし、冬に食するほうれん草のおひたし、特に、私は地際の赤い部分が好きですが、あのしっかりとした甘さは大好きです。みなさんもザクッと切って捨てずに食べて見てください。栄養価も高い部分ですよ。

 今回は、青菜の中で2種類を取り上げましたが、他にも水菜やチンゲン菜、ルッコラや春菊など、当農園は、今後も青菜のラインナップを充実させていきます。これからどんどん気温が上がり、アブラムシが増えてくる季節になります。せっかくスクスクと育った野菜の栄養水分を吸ってしまうアブラムシを何とか防除し、美味しい野菜を皆さんに提供していきたいと考えていますので応援よろしくお願いします。

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ニックネーム 農場長 at 01:00| Comment(0) | 葉物

2009年02月16日

キャベツと青虫

 例年より寒い1月をなんとか乗り越え、さらに寒い2月になりました。1月は、霜がたっぷりと降りたり、突風に近い強風でブロッコリーがひっくり返ったり、ビニルマルチが吹き飛ばされたりと自然の厳しさを思い知らされました。

 さて、今回は、寒さによりだいぶ育ちが遅れてしまったキャベツについて書きたいと思います。これらのアブラナ科の野菜は、農薬を使わないと青虫に食べ尽くされて売り物にならないと良く言われています。なかには、農薬を使わないと作れない野菜として取り上げている雑誌もあります。確かに、成虫が飛び回る時期に無防備な状態で栽培していては、卵を産みつけられて、あっという間に立派な青虫と御対面です。私達は、畑に植える時期を成虫の産卵時期からずらしたり、防虫ネットを張って侵入を防いだりしています。しかし、ネットのちょっとしたすき間などから侵入する蝶や青虫が必ずいるので、日々の見回りもまた重要です。虫が食べ荒らしたキャベツは安全の証拠だ!とは、全然思いません。外葉が多少食べられてしまうということについてはご勘弁下さい。では、良いキャベツとは、どんなキャベツなのでしょうか?キャベツを選ぶ基準としては「大きさより重さ」と言われています。これは、外葉がまず育って、その後に内側の葉が出てくるというキャベツの性質から「外側が大きく育っていても、内側が充実していない」ことを避けるために重さを重要視しています。

 では、美味しさという点ではどうでしょう?キャベツの味には、生育速度(生育期間)が関係するのではないかと思っています。一般的に野菜の葉を育てる肥料分としては、土の中の窒素の濃度によって、葉の伸長速度や出葉枚数が変化します。窒素分を多く与えると早く育って早く収穫することが可能です。しかし、味を構成する他の養分の吸収が間に合わないのではないかと思います。私が肥料について質問される時に「肥料と堆肥はどう違うのか?」ということを良く聞かれます。その回答として「肥料は植物の体を作る栄養源。堆肥は植物の味を作る調味料」と答えます。私達は、苗の段階でキャベツの根をじっくりと伸ばすために長く育苗をします。畑に植えた後も葉の色を見ながら必要な時に最小限の肥料を与えるという栽培方法を行っています。それでようやく嫌なキャベツ臭がせず、甘みのある子供達でも美味しく食べることの出来るキャベツを作っています。

 先日、小学校の理科の先生とモンシロチョウと青虫について雑談しました。その先生は、「理科の教材として、虫かごの中で、モンシロチョウに卵を産ませて、青虫になるまでを子供達に観察させたいのだが、最近、モンシロチョウの姿を目にしない」と残念そうに言っていました。そういえば、キャベツの大産地として知られている銚子市が近いですが、広大なキャベツ畑にモンシロチョウの姿をあまり見かけなくなりました。そう考えると、私たちの農場で乱舞するモンシロチョウが何だか貴重なもののように(一瞬ですが)思えてきました。これは、どうも農薬の種類が変移していることに関係がありそうです。
 昔は、青虫やモンシロチョウを駆除する農薬として接触性の殺虫剤が多く使われていました。接触性とは、畑に散布して虫の体に農薬が付着することによって効果があらわれる性質です。この種類ですと、葉の陰に隠れている虫は生き延びます。一方、近年においては、経口性の殺虫剤が主流となりました。これは、葉や茎を青虫が食べることによって、葉に付着している農薬が体内に摂取され、殺虫効果を発揮するという性質を持っています。農薬って便利!と思われる方も多いと思います。実際、農薬の使用無しでは我が国の食糧自給率はますます低下してしまうでしょう。それでも、私たちが農薬を使わないでキャベツを作っているのは、「そういうキャベツを食べたい!」「農薬を使わないキャベツしか食べることが出来ない」という方々が居るということを知ってしまったから・・・というと格好が良いのですが、せっかく多品目の野菜を農薬と化学肥料を使わないで栽培しているのだからキャベツだけ農薬を使うという訳には参りません。


 今後の課題としては、旬(=その野菜が一番生育旺盛な時期であるが、対象害虫もまた一番多い時期)に乗り遅れないように病害虫の対策をより一層徹底して皆さんに美味しい野菜をお届けできればと考えております。

ニックネーム 農場長 at 00:34| Comment(0) | キャベツ

2009年01月14日

今年もよろしくお願いします

謹賀新年 今年もよろしくお願いいたします。

新年を迎え、新しい気持ちで野菜つくりに励んでいきたい・・・と思っているのですが、鶏を飼っているので、大晦日も元日も農場に来て、にわとりのエサをあげたりしていると、ついつい畑が気になってしまい、作業を行ってしまうというあまり節目を感じない年末年始でしたので、メリハリが無くなってしまいました。ですから、せめて今年1年の栽培計画を念入りに今まで以上にしっかりしたものにしよう!と決意をした農場担当です。

 野菜は、寒さに打ち震えていると思いきや、キャベツ、白菜、ブロッコリなどは、着実に葉の数と大きさを増しており、収穫に向かって成長をしております。昨年の秋に大量発生したヨトウムシによって、育苗中の苗や植えつけたばかりの苗を瀕死の状態にまで食い荒らされたため、年内の店頭での販売量は僅かなものになってしまい、お客様には多大なるご迷惑をお掛けいたしましたことをここで謝罪いたします。寒さに当たったこれらのアブラナ科の野菜達は、旨味をさらに増しています。収穫するのが待ち遠しいです。

 今回は、おなじみの「ブロッコリ」とレストランなどで大人気の「スティックセニョール」について書きたいと思います。

 ブロッコリは、皆さんが冬に食べる温野菜として最も代表的な野菜です。しかし、小中学生を対象にアンケートを行った結果では、ピーマン・ナスが嫌いな野菜としてダントツなのですが、ブロッコリも11位に入っています。嫌いな理由としては、「ポソポソする、硬い、べちゃべちゃする」という食感を挙げている人が多く、次いで「嫌なにおいがする」というキャベツや白菜も同様のにおいがするのですが、アブラナ科特有の野菜くささや殺菌剤などの薬品くささを挙げている人もいました。

この「におい」というのは、素材本来のにおいの他に、特にブロッコリは、花のつぼみの集まりであるため収穫後も呼吸量と吸収量が多く、においを吸着したり、密閉状態に置かれていると酸欠に陥り、硫化ガスを発生したりするようです。ブロッコリを美味しく食べるコツは、鮮度の良いものを適度な茹で時間でということでしょうかね。

スティックセニョールは、ここ数年、栽培量が増えてきた野菜です。直径数センチくらいのブロッコリのような花のつぼみから茎が長く伸びている野菜です。茎がアスパラの風味がすると良く言われますが、私は甘みがあることがこの野菜の特徴かなと思います。見た目がスマートで目を引くことから、付け合わせの野菜としてレストランなどから人気があります。このスティックセニョールは、皆さんから「ブロッコリのわき芽が伸びてきたやつでしょ?」と良く質問されますが、全く違うものです。親はブロッコリなのですが、中国野菜のカイランと交配された野菜です。肥料が不足しないように栽培をしてあげることが重要で、肥料が切れると甘みが低下したり、花のつぼみがひらきやすくなったりします。

1月は、遅ればせながら、大根、白菜といった冬の定番野菜が店頭に並びます。ブロッコリーやスティックセニョールなどの温野菜もお勧めです。まだまだ寒い時期ですが、夏野菜の種播きがそろそろ始まります。もちろん外ではなく、ビニルハウスの中での育苗ですが、畑はあっという間に季節が移り変わっていきます。乗り遅れないように病害虫の対策をより一層徹底して皆さんに美味しい野菜をお届けできればと考えております。

ニックネーム 農場長 at 22:10| Comment(0) | ブロッコリ

2008年12月13日

里芋の美味しい季節です。

 いよいよ冬本番です。畑は、ようやく一息という状況です。秋は収穫と植え付けが同時進行で、どれを優先にするとかの順番がつけられません。全てが「早く収穫して〜」であり、「早く植え付けて(播いて)〜」なのです。日が詰まったことで作業を行う時間が限られているため、気が付いたら夕方だという日が多かったです。その上、冬春野菜は、タイミングを逃すと作れない=また来年・・というものが多いのです。

 さて、今月は、「里芋」について書きたいと思います。「里芋」の由来は皆さんご存知ですか?自然薯などの「やまいも」に対し、里で作られるから「さといも」という説が一般的です。里芋の生産量は、千葉県が堂々1位です。以降、宮崎県、鹿児島県という順位です。しかし、生産量はそれほど多くない東北地方で「芋煮会」は、多く行われており、秋の風物詩となっています。というのも、関東以北では、昔、里芋を貯蔵する温度(10℃前後)を保てなかったため、低温で腐敗してしまっていたそうです。だったら、寒さが厳しくなる前に食べてしまおうというのが始まりだったようです。

 いも類の栽培方法について、良く比較されるのは、さつまいもと里芋です。さつまいもは、「高温・乾燥」を好む傾向にあるのに対し、里芋は、「高温・多湿」を好みます。両者ともに、夏場に生長する野菜ですので、高温を好む点では共通ですが、雨の量=土の水気については対照的です。台風がほとんど来なかった今年は、私達の農場ではさつまいもが豊作で味も上々でした。里芋は、雨が少ないということで収量は低下しますが、逆に味は濃密でねっとりしたものになる傾向があります。

美味しいと言われる里芋は、「土の匂いがして、ねっとりしているもの」と表現されることが多いです。里芋に限らず、根菜類は、味が天候に左右されることが多々あります。根菜類を雨模様の日や雨の翌日に収穫すると、野菜が含有している水分が多いために味が薄く感じてしまいます。ですから、よけいな水分を飛ばすという意味合いで、さつまいもなどは、収穫してから10日〜14日間ほど置いた方が美味しくなります。

 里芋は、関東と関西では形が違うとよく言われます。これは、代表的な品種が地域によって異なるためであり、関東では「土垂れ(どだれ)=土に垂れるほどに里芋の葉が大きくなることから」が一般的で、関西では「石川早生(いしかわわせ)=芋の形状が丸いことから、関東では、「マル」と呼んで、土垂れ(芋の形状は扁平)と区別しています」が里芋として扱われています。

12月は、大根、白菜といった冬の定番野菜が店頭に並びます。ブロッコリーやスティックセニョールなどの温野菜もお勧めです。また、小松菜は、「第21回東京国際映画祭2008」で、にんにくや古代米などと共に、映画祭のお客様へ振舞われました。当農園の小松菜は、「生で食べてもえぐみが少なく、小松菜本来の味をしっかりと持っているのに軟らかくて美味しいです。」という感想をシェフの方からいただきました。ちょっと複雑な表現です。が、この小松菜は、幼少の子供達にすごく人気があり、保育園でも好評です。ぜひお試しくださいね。

ニックネーム 農場長 at 22:37| Comment(0) | 里芋

2008年11月03日

今年の稲作を振り返って

秋の天気は周期的に変化しますが、まさにその通りで、納品へ行く時や収穫作業の時は晴れて、腰を落ち着けて朝から作業をやるぞ!という日は、よく雨が降るという周期に苦しみました。また、「秋の日はつるべ落とし」とはよく言ったもので、夏気分で作業を行っているとあっという間に辺りは真っ暗。日の出も遅くなるので、明るい時間を有効に使っていきたいと思います。

今月は、当農園一押しの「お米」について触れたいと思います。9月の末に稲刈りをし、その後、天日で干しておいた米を10月に脱穀し、ようやく販売に至りました。今年のコメ作りは、天気の変化に一喜一憂し、結果として良い出来になりました。

まず、春は、田植え直後の大雨で苗が浮いてしまい、植えなおしをしたと思ったら、季節はずれの低温で幼い苗が縮こまってしまい、活着(根の付き)が遅れてしまいました。葉の色も黄ばんだままで、なかなか緑化せず、近所の農家に心配されてしまいました。

 今になって考えると、低温状態に置かれたことで苗の根張りが良くなり、その後の生育に良い影響を与えたのではないかと思います。また、葉っぱが黄ばんでしまったのは、活着(根の付き)が遅れたせいでなく、肥料として入れた有機物が、低温のためにうまく分解されず、植物の生長を阻害するガスが出ていたためと思われます。

夏は、雨がほとんど降らず、暑い日が続きました。雑草の生育も旺盛で、1週間も放っておくと稲と変わらないくらいに大きく育ってしまいます。今年は、小まめに雑草取りをしたので、稲はすくすくと育ちました。また、田んぼの水の管理も小まめに行いました。水が浅いと雑草の芽がすぐに出てしまうので水を深くしたり、「中干し」(=稲の根を強くし、土の中へ深く張らせることで倒状に強くするという目的と余分な茎を増やさないという目的があります)その中干しの期間を短くしました。というのも、田んぼに水が少ないと雑草がすぐに繁茂してしまうからです。

完璧な管理!が出来たと思いましたが、思わぬ落とし穴・・。草に肥料を食われる、草が取りきれないという想定から、最初に与える肥料を多めに田んぼに与えたのですが、雑草をきれいに小まめに除草したことで、稲が肥料を吸いすぎてしまったのです。

その後、くん炭(籾殻を焼いたもの)を田んぼに入れて、稲が肥料を吸収することを止め、稲穂を充実させることに専念しました。ちょうど、その頃に台風が来ました。例年より背が高くなった稲は、強風にあおられて、稲穂を支えきれずに倒れてしまいました。水につかったままにしておくと、穂から芽が出てしまうので、すぐに稲刈りを行って、天日干しをしました。ところが、晴天が続かず、なかなかパリッと乾燥せず、例年より長い時間をかけて干しました。

このように稲作の日々を振り返って書いてみると、色々あり、大変な時もありましたが、今年のコメは、農家の人が驚くほどツヤの良いコメに仕上がりました。しかし、コメ作りは、毎年の天候に大きく左右されるもので、来年は、新たな心構えで栽培に向かいます。コメ作り50年という知り合いの農家が言ったことを思い出します。「まだまだ、この年になっても1年生ですよ!」

ニックネーム 農場長 at 23:48| Comment(0) | 田んぼ

2008年09月13日

秋茄子はみんなで食べよう!!

 雨がまったく降らない今年の夏は、野菜達にもつらい季節になりましたが、農園の人間にとっても過酷な季節になりました。土が乾燥しすぎてしまい、水やりをした後に急いで種まきをしたり、種を播いた後も日よけを多めに設置したりと、今年の野菜作りは、ひと手間余計にかかってしまいます。

 野菜を収穫する時間帯も限られてしまい、葉物やサラダ系の野菜は、早朝と夕方に猛スピードで収穫を行います。果菜類だけは、午前中のなるべく涼しい時間帯に(と言ってもハウスの中などは40℃を越えたりしますが)、収穫を行います。葉のすき間からピカピカ光っている茄子やピーマンを見つけたり、木で完熟した真っ赤なトマト達を見ていると、暑さの中での収穫作業にも元気がわいてきます。汗をかきかき収穫中、彼らをもぎって食べると・・のどの乾きも伴って、茄子の甘みやピーマンの酸味、トマトの味についつい笑顔になってしまいます。

 そろそろ秋ということで、今回は、茄子について触れたいと思います。「秋茄子は嫁に食わすな」という有名な言葉があります。秋の茄子は美味しいから、お嫁さんに食べさせるのがもったいないのか?茄子は体を冷やす効果があるのでお嫁さんの体を案じてのことなのか?栽培から見てみましょう。茄子は、夏場に「なり疲れ」(→毎日のように実をならせて、茄子の木が弱っている状態)になるので、「切り返し」(→木を半分ぐらいに切ってしまい、9月に新芽を出させる)を行って、秋に再び収穫を始めます。そのため、真夏の元気の無い木で育った茄子よりも、秋の方が茄子の木に活力がみなぎっているので、味が良くなるということです。

 農園では、一般的な千両茄子、中長茄子のほか、京野菜で有名な賀茂茄子や生で食べることのできる水茄子を栽培しています。夏の間、千両茄子を地元の保育園の給食で使ってもらいました。「軟らかくて灰汁が少ないから子供達が残さずに食べていますよ!」という嬉しい感想を頂いています。子供達の笑顔を思い浮かべながらの野菜作り、味を落とすわけにはいきません。土つくりと日々の管理作業や観察が、美味しい野菜を作ることに直接的にむすびついています。今後も妥協しない野菜つくりにこだわっていきたいと思います。

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ニックネーム 農場長 at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | なす